国際センター
について

About International Center

センター長メッセージ

メキシコに住む20年来の友人とzoomで話していたときのこと。彼はメキシコの大学と英国の大学とでクロス・アポイントメント契約を結んでおり、メキシコと英国を定期的に行き来している。英国に戻ろうかという話のなかで、勤務先のある都市とは直線距離で200kmほども離れた別の都市に新たに居を構えるという。少しあきれた表情の私に向かって、彼はなかば諦め交じりにこう付け加えた。「知ってるだろ。移動中の車内はぼくにとってはオフィスなんだってこと。」そして二人で笑いあった。

10年程前、共同研究の過程でBritish RailのInter-cityにともに乗り込んだときのこと。彼曰く、移動中の車内にいる時ほど集中力が増し、そこで仕事をしている時の方がはかどるらしい。私自身は時差の関係でウトウトし、彼は彼で仕事に集中していたおかげで、目的地を乗り過ごす失敗をやらかした。笑い話で済んだものの、彼の場合、似たようなことを幾度となく経験しているはずであるにも関わらず、相変わらず職場から遠く離れた地に居を構え、通勤時間を仕事に充てるつもりでいるらしい。

通信技術が発達したおかげで、コミュニケーションに物理的な距離が意味をなさなくなった感がある。とはいえ、多様な感性をもつ友人たちの心の機微に深く触れるのは、いつだって対面コミュニケーションを通じてそれに共感したときのこと。留学を志す学生諸君には、そうした機会をできるだけ多く得てほしい。そうして育んだ友情は生涯にわたって貴重な財産となるだろうから。

国際センターは、学生諸君の留学体験を実り多いものにすることを目的として設置された本学国際交流の拠点です。全学・部局合わせて約200のグローバル・パートナーとの交流協定を通じて、学生諸君の留学を強力に支援するとともに、600人を超える留学生を受け入れることによってキャンパスの国際化を推進しています。本学に在籍する多くの学生が、日本という枠組みを飛び越え、世界の友人たちとのコミュニケーションを楽しんでくれることを期待しています。

2023年春
国際センター長  野口昌良